共有関係を解消する方法

共有状態は、ひとつの物の全体を複数人で割合的に持ち合うという、ある意味不安定な状態であるため、実社会でも、共有物の分割により共有関係の解消が図れることは各共有者にとってメリットといえます。共有関係が解消される方法としては、次のようなものがあります。

共有物分割

共有物分割は、共有者の協議や裁判を通じて、共有物の現物を切り分け、あるいは売却してその代金を分けることなどにより、共有関係の解消を図る方法です。

共有持分の処分

共有持分の処分は、共有者が自己の共有持分自体をほかの共有者や第三者に譲渡することによって、それまでの共有関係からの離脱をする方法です。不動産であれば、こうした持分を買い取る業者も存在します。この方法の場合、持分を譲渡した当事者は必ず共有関係から離脱できますが、ほかの共有者については従前の共有状態が残る場合があります。

共有持分の放棄

共有者は自己の共有持分を放棄することで共有関係から離脱することができます。この場合、放棄された共有持分は、民法上、ほかの共有者に帰属するものとされています。

共有者の死亡

共有者のひとりが死亡した場合、その共有持分は原則として相続人が取得することになりますが、相続人がいないときには、共有持分はほかの共有者に帰属するとされています。このため、例えば、ある不動産をAとBが共有しており、Aが死亡したが相続人がいないというケースでは、BがAの共有持分を取得して共有関係は終了するということになります。なお、この場合でも、判例によると、民法上の特別縁故者Cがいる場合には、CがBに優先して相続財産としての持分を取得することができるとされています。

共有物分割の基礎知識:目次

  1. 共有の法律関係
  2. 共有関係を解消する方法
  3. 共有物分割請求権と手続き
  4. 裁判による共有物分割の方法

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