正当事由と立ち退き料

正当事由の判断方法

正当事由の判断要素は借地の場合と借家の場合とで微妙に異なるものの、大枠の判断順序は共通しています。それは、まず主位的要素として「当事者双方の土地建物の使用を必要とする事情」を判断し、これがある程度認められる場合に「借地借家の従前の経緯、土地建物の利用の状況、(借家の場合、建物の現況)」を考慮した上で、最終的に「立ち退き料の有無、多寡」を補完事情として、正当事由が認められるのか否かを判断していきます。

立ち退き料の役割

法律上は、立ち退き料は正当事由の補完事情にすぎないとされていますが、実際には、立ち退き料の補完なくして正当事由が認められるケースというのは稀です。また、任意交渉や裁判上の和解であれば、仮に他の事情のみでは正当事由が全く認められない場合であっても、借地人や賃借人の側が立退料の支払のみで納得して退去することはあり得るので、立ち退き料の多寡が専ら交渉の的となるケースも多いのです。

立ち退き交渉の基礎知識:目次

  1. 建物賃貸借における賃貸人からの契約終了
  2. 借地における地主からの更新拒絶
  3. 正当事由と立ち退き料
  4. 立ち退き料の算定要素

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